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心理カウンセリング/トラウマ治療(神奈川県横浜市)

IAP横浜相談室

【主な実施場所】(関内駅周辺の施設に変更になる場合があります)
〒231-0048 神奈川県横浜市中区蓬莱町2丁目4-7 澤田聖徳ビル 

予約制
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依存症の脳科学

依存症の脳科学

IAP横浜相談室伊藤享司

ポイント

  • 報酬系という喜びや快感を感じる機能が脳内にある。
  • 喜びや快感にはドーパミンが作用している。
  • 薬物により、ドーパミンの作用が強くなる
  • 報酬系には興奮系と抑制系の二つの神経の働きでドーパミンの作用が強くなる仕組みがある。
  • ドーパミンの再取り込みを防ぎ、ドーパミンの作用が増える(興奮系)
  • 一方、普段GABA 神経から放出されるGABA がドーパミンニューロンにブレーキをかけている。
  • ドーパミンニューロンを抑制するニューロン(GABA 神経)を抑制し、結果としてドーパミンニューロンが活性化して、作用が増える。(抑制系)

報酬系(報酬回路)

報酬系
  • 腹側被蓋野=VTA に刺激が与えらえると側坐核、線条体、偏桃体、前頭葉につながるドーパミンニューロン*が活性化し快感を感じる。
  • *他に「VTA ニューロン」「A10神経系」などと呼ばれる。

興奮系(覚せい剤による作用)

覚せい剤の作用

覚せい剤(コカインとアンフェタミン)は、シナプスとシナプスの間に放出されたドーパミンを再取り込みする機能(トランスポーター)を阻害することにより、ドーパミン受容体を活性化させる。

 

抑制系

 

  • 脳内物質のGABA はドーパミンニューロンを抑制する働きがある。
  • GABAを含むニューロンがVTA につながりVTA のドーパミンニューロンの抑制を抑制している。
  • ドーパミンニューロンの抑制が解除されると、ドーパミンが放出が多くなる。ドーパミンによる快感が増える。

モルヒネ(アヘン)・大麻・アルコールによる作用

 

  • モルヒネ(アヘン)はGABA を含むシナプス(GABA 神経)に抑制をかける。これは脳内麻薬と言われているエンドルフィンと同じ働きとみられている。性行為やランナーズハイのときにエンドルフィンが分泌されると言われている。
  • 大麻とはテトラヒドロカンナビノイド(THCTHC)と言われる物質が脳内でGABA を含むシナプス(GABA 神経)に抑制をかける。ちなみに脳内には同様の働きをするエンドカンナビノイドがある。
  • アルコールは、エンドルフィンとエンドカンナビノイドの両方の分泌を促し、ドーパミンニューロンの抑制を解除する。

ギャンブル依存症について

 

  • アルコールを含め薬物を摂取し、薬物の作用によってドーパミンの作用が強まり快感を得る。
  • ギャンブルの場合は、ギャンブルで勝ったときによりも、ギャンブルをすることによって、勝てるのではないかという期待により側坐核でドーパミンが多く放出される。
  • 実際の報酬よりも、報酬を得られる期待が快感につながる。
  • 推測だが、性依存症者による痴漢行為も同じ構造ではないかと思われる。痴漢行為がやめられない性依存症者は「ゲームとしてばれずに痴漢が成功するかどうか、そのスリルがやめられない」と言う旨を語ると言う。
  • 飲み会に行く前や、好きな人とのデート前のウキウキ感などを思い起こすと理解しやすいかもしれない。(この場合、社会的報酬に対する期待と言う点も大きいと思われる)。

耐性

 

  • 同じ量の薬物では快感が得られなくなる
  • 薬物の使用により、ドーパミンの受容体がすくなっていく。
  • 快感を得るためにどんどん薬物の量が増える。

長期増強(快感の記憶)

 

  • 繰り返し薬物によって、刺激されたニューロンは反応が大きくなる。
  • 大きくなった反応はずっと大きいまま(長期増強)。快感の記憶がニューロンで行われている。
  • GABAの放出を抑制する薬物の刺激も同じ原理で、抑制する反応が長期的に大きくなる長期抑制が起きる。
  • ニューロンに残る快感の記憶のため、しばらく、薬物を辞めていても、また欲しくなってしまう。
  • 作用が速いと依存の形成が速い(強くなる)。行動と快感が直ぐに結びつく。⇒タバコ:鼻から脳への影響が速い。薬物としての作用が小さくても依存性が強い。

離脱症状

 

  • 薬物で得た快感は薬物が切れると反対の症状が出る。
  • 薬物で緊張が和らいでいると、緊張が強くなる。
  • 心地よさが気持ち悪さの症状として現れる。
  • 日常で得られていた快感が薬物なしでは得られなくなる。日常に喜びがなくなりうつ状態や倦怠感が現れる。

参考文献〉

 

  • デイヴィッド・J ・リンデン著、岩坂彰訳「快感回路ーなぜ気持ちいいのかなぜやめられないのか」2012 年河出書房新社
  • 中野信子著「脳内麻薬ー人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体」2014 年幻冬舎新書
  • 蒲生裕司著「よくわかるギャンブル障害ー本人のせいにしない回復・支援ー」2017 年星和書店

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